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フェルラ酸Ferulic Acid

食品添加物として酸化防止作用、化粧品用ではメラニン生成の抑制作用が確認されており、細菌の抑制、紫外線吸収、アルツハイマー型痴呆への効果も注目されています。

  • 食品添加物
  • 化粧品
フェルラ酸

コメからつくられる天然のリグニン成分

フェルラ酸は、植物の細胞壁の架橋構造を作りだす必須物質であり、多くの植物体の器官に普遍的に広く分布しています。ケイ皮酸の誘導体でリグニンを構成し、他の芳香族化合物合成の前駆体となり、他のフェノール類のように抗酸化作用を持ち、活性酸素種などのラジカルと反応します。

フェルラ酸の製法においては、バニリン等からの合成法が1935年にDutt等によって確立され、フェルラ酸の物性や性質について数多くの研究がなされてきました。しかし合成方法が困難であったため、天然物原料由来ではコメ(米ぬか・米胚芽)由来のものが一般的で、広い分野で使用されています。

オカヤスのコメ由来のフェルラ酸は、独自技術により、高品質で効率的に製造され(特許第1021087)、食品添加物、化粧品のグレードをご用意しています。

コメからつくられる天然のリグニン成分
構造式構造式

フェルラ酸の機能性

アルツハイマー病の予防効果 1) 脳の中で酸化ストレスから炎症を引き起こすβ-アミロイドペプチドに対し、防御する役割をはたし、アルツハイマー病の予防効果が期待されます。
優れた抗酸化作用 4), 5) 抗酸化作用、活性酸素種の消費作用から、多くの食品の「酸化防止剤」として、変色・退色防止に用いられ、細菌の抑制効果もあるとされております。
美肌効果 2), 3) 紫外線吸収、メラニン生成の抑制効果により美白・美容作用成分としてシャンプー、洗顔料、ローション、化粧水等の化粧品用途で用いられています。
高血圧の予防や脳機能の改善に 6) 抗腫瘍活性、血糖値降下作用、脳機能改善作用等が報告され、機能性に富んだ注目の素材です。

フェルラ酸の用途

利用方法 具体例
食品添加物
  • ・カプセル、錠剤等の固形剤
  • ・クッキー
  • ・キャンディー
  • ・チョコレート
  • ・チューイングガム
  • ・ウエハース
  • ・グミ
  • ・ゼリー
  • ・錠菓
  • ・ドリンク等液剤
化粧品
  • ・石鹸
  • ・ローション
  • ・洗顔料
  • ・ファンデーション
  • ・シャンプー
  • ・リップクリーム
  • ・リンス
  • ・口紅
  • ・化粧水
  • ・歯みがき粉 等

参考文献

  1. 中村重信,他,「ANM176がアルツハイマー患者の認知機能に及ぼす影響」
    老年医学Geriatric Medicine Vol.46 No.12 2008-12 pp1511-1519
  2. 井端泰夫, フレグランスジャーナル, No.45, 92 (1980).
  3. 芋川玄幽ら, フレグランスジャーナル, No129,41(1991).
  4. 宇佐美 英治, 草野 源次郎, 片寄 貴則, 輪千 浩史, 瀬山 義幸,天然物中の水溶性抗酸化因子及び脂溶性抗酸化因子による
    抗酸化作用の評価,YAKUGAKU ZASSHI,124(11)847-850 (2004)
  5. Kikuzaki, H., Hisamoto, M., Hirose, K., Akiyama, K. and Taniguchi, H., Antioxidant properties of ferulic acid
    and its related compounds. J. Agric. Food Chem., 2002, 50 (7), pp 2161–2168
  6. Perluigi M., Joshi G., Sultana R., Calabrese V., De Marco C., Coccia R.,Cini C., Butterfield
    D. A. In vivo protective effects of ferulic acid ethyl ester against amyloid-beta peptide 1-42-induced oxidative
    stress. J. Neurosci. Res. 84, 418-26, (2006).
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